COLUMN / INTERVIEW コラム・取材記事
サンフレッチェ広島レジーナ誕生~ゼロから歩む女子サッカーの未来~
皆さん、こんにちは。森﨑浩司です。昨年に引き続き、2回目のコラム寄稿となります。
現在僕は、サンフレッチェ広島アンバサダーとして、サンフレッチェをよりたくさんの方に知っていただけるようクラブの広報を担っています。
皆さんに改めて知っていただきたいのが、女子サッカー。
今秋、日本初の女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」が開幕します。合わせて、サンフレッチェに新たな女子チーム「サンフレッチェ広島レジーナ」が誕生しました。
今後の発展が更に期待できる女子サッカーと、広島に根差すサンフレッチェの近い未来について、ぜひ注目していただきたいと思います。
日本初の女子プロサッカーリーグ創設とレジーナの誕生
サッカー日本女子代表「なでしこジャパン」が、2011年のFIFA女子ワールドカップで優勝を果たした偉業は、皆さんの記憶にも新しいと思います。
あれから10年、日本女子サッカー初のプロリーグが今年9月にスタートします。
一躍知名度を急上昇させた女子サッカーを再度活性化させるため、そして女性活躍の場を広げるためプロ化が実現。これまでプレーする環境が十分でなかった女子サッカーにとって、大きな一歩となるでしょう。
リーグ新設に伴い、サンフレッチェ広島は、新たに女子チーム「サンフレッチェ広島レジーナ」(以下、レジーナ)を発足。令和2年10月にはリーグ参入が決定しました。
レジーナとは、イタリア語で「女王」の意味。その名の通り、WEリーグの女王となることを期待しています。
生まれ変わる女子サッカー界と実力派揃いのレジーナ
レジーナは、まったくゼロから生まれたチームです。
これまでサンフレッチェ広島には女子部門は存在しなかったため、まずは組織作りからスタート。監督、ヘッドコーチ、選手を全国から選抜、獲得する作業から始め、スタッフを含め、約1年という短期間で、日本最高峰リーグで戦えるチームを作り上げてきました。
スポーツ業界全般に言えますが、サンフレッチェ広島も新型コロナウイルスの影響で来場者数が制限されるなど、クラブとしても大きなダメージを受けています。男子サッカーにおいても、ファン離れやサポーター離れが危惧されているなか、女子サッカーはサッカー業界全体の盛り上げのためにも、非常に大切な存在です。
厳しい経営の中での新チーム立ち上げは、挑戦あり、女子サッカーへの参入は、「チャレンジしないと何も生まれない」というクラブからの大きなメッセージがあると、僕は感じています。
発足時から少しずつレジーナを見させてもらっている僕ですが、新しいことにチャレンジしたい、これから新しい歴史を作っていきたいという思いを持つ選手が揃い、モチベーションの高さがチーム全体から感じられます。
サンフレッチェ広島の強みと同じく、最後まで諦めない戦いとひたむきなプレー。この2つがベースとなるチームに成長していくでしょう。
そしてレジーナのメンバーには、FIFA女子ワールドカップ優勝メンバー(なでしこジャパン)の近賀ゆかり選手、福元美穂選手と、日本女子サッカー躍進のど真ん中で走り続けている選手がいます。2人は選手としてはもちろん、世界一を知る経験を活かし、広報活動にも積極的に参加してくれています。
WEリーグの創設、そしてレジーナの誕生により、サッカーを愛する女性たちが、夢を持てる時代に突入しました。女性がプロサッカー選手を目指せる土台が完成したと思います。
サンフレッチェ広島も、女子サッカーの環境が整わず夢半ばで諦めてしまった子どもたちを今後生まないために、レジーナが受け皿となってプロを目指せる環境を作っていかなくてはなりません。