COLUMN / INTERVIEW コラム・取材記事
シンプルなのに奥が深いフィンランド発祥のモルック。再び全国大会の舞台へ。
全国4位に入賞した学生大会
―2021年11月にあった第一回全日本モルック学生大会都道府県予選広島県での予選を勝ち上がり,福岡県でのエリアトーナメントに進出されました。
山根:福岡県代表チームと佐賀県代表のチームと対戦したんですけど,どちらもはっきり言って格上の相手だったんです。
西田:試合前の練習から全然違ったんです。正直勝てないだろうって思ってました。
(福大ASO部 pork’s〔福岡代表〕戦は50-29,50-36で2勝し,7.07@福岡大学〔佐賀代表〕は50-25,40-50で1勝1敗)
山本:全部で4試合したうち,勝利ゲーム数,合計得点の1位チームが全国大会に出場できるんですけど,僕たちは3ゲーム勝利して,140点獲得していたので全国大会に出場できたんです!
―快進撃から全国大会でも4位に入賞しました。
西田:全国大会は予選を勝ち上がった8チームが出場して,1勝すればベスト4だったんですよ。
山根:そしたら,まさかの1試合目に勝ちまして。松本先生(ゼミの先生)の声援のおかげですね(笑)。
矢羽田:その後の準決勝と三位決定戦では、相手とのモルック経験の差があって、チームのミスも目立ってしまい、負けちゃいました。
―今回,全国大会はオンラインでの開催でした。相手チームとスキットルを交互に倒し合うスポーツですが,どのように対戦したのですか?
西田:ZOOMで相手チームと繋いで,相手がモルックを投げた後の状況を自分たちで作って行くんです。
矢羽田:その状況を再現するためにオンライン用にコートを作るんです。幅3m、奥行12mで縦横1m間隔でマス目状のコートを作成するんです。
―散らばったスキットルは,どう再現するのですか?
矢羽田:相手が倒した状況をカメラで映してくれて,例えば,5番のスキットルは4mのライン上です!とかやり取りをして,聞いたものを自分たちで再現して,そのあと相手チームに確認してもらってゲーム再開になります。
―オンラインでの対戦はどうでしたか?
西田:相手が倒したスキットルを再現するのに時間がかかるんですよね。
矢羽田:見た通りに再現しているつもりでも「もう少し左です」とか微調整をするので、結構時間がかかるんです。投げる時より、相手のスキットルを再現するのに集中力を使ってしまったところはあります。
西田:そのせいか集中力が切れてしまって、思ったところに投げられなくなりました。
矢羽田:オンラインに慣れてなかったのもありますね。
山根:3位決定戦は、相手が9点取れば勝ちの状況で、こっちは必然的に9点を狙わないといけない状況になって3回連続で当てられなかったので敗れました。
※3回連続でスキットルに当てられなければ負けというルールのため。
―悔しさもあった全国大会でしたが,出場してみてどうでしたか?
山根:オフライン(リアル)の方が良いかな(笑)。
西田:久しぶりに緊張感が味わえたなって思いました。
山根:確かにそれはあるね。
西田:野球で2ストライクまで追い込まれた,みたいな感覚です(笑)。
西田:来年も全国大会に出たい!
山根:オフライン(リアル)の全国大会に出場したいよね!
―来年の大会に向けて頑張っていきたいことを教えてください。
山根:毎回4番目に投げてて、実は練習で外しまくるから4番目になったんですけど(笑)。4番目は遠くの1本を狙うことが多いので、遠距離(10mくらい)が投げられるようになりたいですね。
西田:僕は一投目なので、とにかく外さないこと。チームに勢いもつけたい。長距離の精度も高めていきたいですね。
山本:スキットルを1本だけ倒すのが好きで、かっこいいし、その精度を高めていきたいです。
矢羽田:モルックの投げ方はいろいろあって、基本は縦投げか横投げです。そのほか、下投げで斜めに投げて転がす方法などもあります。
山根:縦は当たる面積が小さいから結構難しいんですよ。
矢羽田:私は縦投げの的中率はチーム内で一番良いので、縦投げの精度をより高めて、さらに投げ方も習得したいです。
―では最後にモルックをするきっかけをくれたゼミの松本先生へ一言お願いします。
全員:全国4位になったんで、焼肉連れてってください!!(笑)
近年、モルックの認知度は向上しているが、まだまだ競技人口が少ないのが現状。しかし、逆を言えば“今なら日本代表になるのも夢ではない”のである。一般社団法人日本モルック協会(以下、JMA)のホームページには、各都道府県で活動しているJMA公認の団体を紹介していたり、講師派遣事業を実施し、モルックを普及するため、精力的に活動している。
ルールが簡単で、老若男女問わず誰でも気軽に始めることができるモルック。自分たちが戦略通りスキットルを倒せたかどうかはもちろん、相手の戦略を先読みし、その時の状況に応じて戦略を立てていくところがこのスポーツの面白さであり、ぜひ多くの方にモルックの面白さや奥深さを体験してほしい。そしてSAHとしても広島県での今後の動向を見守りたい。
広島経済大学経営学部スポーツ経営学科
Hiroshima Umiversity of Economics Department of Sport Business Administration
スポーツの可能性とビジネスの仕組みをバランスよく理解し、社会で活躍できる「スポーツのわかるビジネスパーソン」を育成するため、経営学と体育・スポーツ科学を複合的に学ぶことができる特色あるカリキュラムを備えている。また、企画力、行動力ある人材の輩出を目指して、より効果的で実践的な教育が行えるよう、理論教育にかたよることなく、スポーツ関連企業や団体の現場等での体験教育も積極的に取り入れている。
本取材にご協力いただきました広島経済大学経営学部スポーツ経営学科松本ゼミの関係者の皆様、本当にありがとうございました。(文・インタビュー/矢上 写真/広島経済大学経営学部スポーツ経営学科提供)