取材記事

激闘を終えたハンドボール日本代表~東京オリンピックの経験を活かしリーグ戦へ挑む~

ハンドボール日本代表 近藤万春・成田幸平

オリンピックの経験を活かし広島に勝利を

(写真提供:Yukihito TAGUCHI / JHA)

―今季、グリーンアリーナで男女同時開幕です。

成田:僕は怪我の影響で開幕戦は出られませんが、今年からチームの最年長になりました。主力級の選手たちが退団しチームの動きが大きく変わる中、今まで以上にチームを引っ張っていこうと思っています。オリンピックに出たことにより注目度も上がったと思うので、期待に答えられるようなプレーを見せていきたいです。

近藤:今シーズンは長期間による代表活動のため、自分のチームではあまり練習できていない不安はありますが、開幕までやれることにベストを尽くします。個人的には、代表と自チームのポジションが違うので、早く感覚を取り戻したいです。オリンピック出場経験を活かして、プレーやメンタル面でチームを引っ張っていけたらと思っています。男女共に同じ会場で開幕戦を迎えられるので、どちらも勝利して広島に元気を届けたいです。

(写真提供:Yukihito TAGUCHI / JHA)

―オリンピックをきっかけにハンドボールファンを増やす活動は。

成田:僕個人では、試合告知や試合報告などインスタグラムで発信しようと思っています。

近藤:本当はファンの皆さんと直接お会いしたいのですが、このご時世です。試合は入場制限で限られた方にしか会えないですし、会場でお会いした時にも、あまり近くにはいけません。しかし一人一人ファンの方の顔を見て、できることはやりたいなと思っています。そしてSNS。オリンピック期間中、試合を重ねていくうちにインスタグラムのフォロワー数も増え、1日100件程のコメントもありました。私には丁寧にコメントを返すくらいしかできませんが、真摯に皆さんと向き合いたいと思っています。

成田:ハンドボールは、選手とファンとの距離感が近い点も魅力の一つです。僕もオリンピック開催時期から、インスタグラムでコメントや DM をもらう数が多くなり、フォロワーも一気に500人程増えました。今でも投稿やストーリーに対してDM やコメントをたくさん頂くので、反響の大きさを日々感じています。オリンピック中は「ハンドボールを初めて見ました」というコメントが非常に多いのも嬉しかったですね。

(写真提供:Yukihito TAGUCHI / JHA)

―改めて、ハンドボールの魅力を教えてください。

近藤:全てが素晴らしいのですが…。敢えて1つ挙げるなら、身体の大小に関わらず誰もが主役になれることです。小さい選手、大きい選手それぞれの特徴やプレーが注目されます。それと、スピーディーな試合展開。試合は30分×2本とハードなスポーツですが、あらゆる場面で目に見えない駆け引きが行われていることもハンドボールの魅力ですね。キーパーとシューターの駆け引き、ディフェンスとオフェンスの駆け引き。じっくり試合を見て頂きたいなと思います。

成田:近藤選手が専門的な事を言ったので僕は教科書的な回答をしますね。スポーツにおける「走る・跳ぶ・投げる」という三つの要素が入っており、ゴール型のゲームで得点数が多いこと。そこが一番の魅力だなと思います。あとは激しいコンタクトとスピーディーなゲーム展開。そこに注目していただけたら、初めての方でも楽しめると思いますよ。

(写真提供:Yukihito TAGUCHI / JHA)

―ご自身のプレーで注目してほしいポイントは。

成田:僕は攻撃よりもディフェンスが得意なので、体の強さを生かしたディフェンスや駆け引きを見てもらえたらと思います。攻撃でも身長を生かしたロングシュートが得意です。フィジカル面にも自信があるので、そのような部分に注目してもらえたら。

近藤:私は身長159 cmと小柄な体形で、代表の中でも一番小さい選手でした。成田さんとは真逆で小さい体を活かし、小回りを効かせるプレーが私の最大の特徴だと思います。機動力もあると思うので、相手を騙しながらプレーするのも得意です。キーパーとの駆け引きを伴うシュートも是非見てほしいですね。

―今季のチームの目標は。

成田:日本リーグのプレーオフ出場です。主力が抜けましたが、新しいメンバーが入ってきました。一つでも上の順位にいけたらいいなと思います。

近藤:私たちの目標は日本一になることです。日本リーグでは毎年、2位か3位という結果で悔しい思いをしています。ずっと優勝し続けている石川県の北國銀行を倒したい思いもあり、私はメイプルレッズに入団しました。今年こそは王者北国銀行を倒して、タイトルを取りたいと思います。