COLUMN / INTERVIEW コラム・取材記事
いよいよB1リーグが開幕!今年も広島にバスケットボールの季節がやってくる!
40歳というのを言い訳にしたくない
―朝山選手は40歳ですが、昨シーズンの出場時間は1試合平均で26.1分。バリバリの主力です。
辻選手:考えられないですよ。僕からすると“40歳で普通にやっている”時点で特別です。スポットで3ポイントシュートも打てるし、(ゴール下に入って)2ポイントでレイアップにももっていける。得点を取ることができるからこそ、昨シーズンのプレータイムが長かったんだと思います。
朝山選手:僕が今の辻と同じ年齢だった頃の能力を(辻は)すでに超えています。だから、そんなふうにいわれてもしっくりこないです(苦笑)。辻はすごくスマートで、バスケットIQの高い選手です。他の選手は辻を見て「こういうふうに長く現役をやりたい」「こうやるから成功する」といったことを感じてほしいですね。
―辻選手の加入を聞いたとき、どんな思いを持たれましたか?
朝山選手:お金いっぱいもらってるのかなぁ~(笑)
辻選手:爆笑
朝山選手:っていうのは冗談ですけど、すごく嬉しかったです。移籍はご縁だと思っているので。親会社であるNOVAから多大なサポートを得ているのは間違いないですけど、だからといって簡単に選手が集まってくるものではないですから。
チームに携わっているみんなが苦労をしてきた中で、Bリーグの顔になっている選手が来てくれた。僕も、いろんなものを背負ってきたつもりですが、誰かに何かを引き継ぎたいとずっと思っていました。ようやく実力も思いも背負ってくれるキャパシティを持った人間が来てくれたと思っています。
―「ライバルが来た」という危機感をお持ちかと思っていました
朝山選手:それはないですね。コートに立てば、辻だけでなく、誰とでもフラットに競争しながらやっていきたいというのは、これまでと変わりません。一番は、顔となってくれる選手が来てくれたワクワク感、嬉しさがありますね。チームにとっても色んなことが変化するきっかけになると思います。僕個人でいくと40歳というのを言い訳にしたくないし、練習もできる限り、同じようにやりたいと思っています。
―辻選手は実業団時代から9シーズン、同じチームにいました。チームを変えるのは大きな決断だったと思います
辻選手:バスケットをもっとうまくなりたいという気持ちがありました。理想のプレイヤー像に近づけるチームが広島ドラゴンフライズでした。贅沢な思いかもしれませんが、自分が勝敗に関わる立場でいたかったんです。もちろん、コートに立っている5人、ベンチも含めたチーム全体で戦うことが大切ですが、それを背負いたいというのが一番でした。
去年は(川崎ブレイブサンダースで)天皇杯で優勝しましたが、自分の納得がいく仕事はできていませんでした。もちろんどんな優勝もチームの力があってこそですが、もっと違う思いに満たされて優勝したかったという気持ちがありました。「このままでいいのか」と思ったのが移籍のきっかけです。
自然が身近で中心部にもアクセスしやすい暮らしやすい街
―街とドラゴンフライズの第一印象はいかがですか?
辻選手:想像していた以上にメチャクチャ住みやすいです。今まで、すぐに東京や横浜に出られるアクセスのいいところに住んでいたので、広島に来るのが少し不安でした。子どもを含めた環境の変化を気にしていましたが、いまは何の不満もなく生活できています。何よりも子どもにとっての環境がいいですね。広い公園もあり遊ぶところが多いです。しかも広島は、街がギュッと(コンパクトに)なっていて、30分圏内で色んな所に行けるのも魅力だと感じています。
朝山選手: 30分で海に行けるし、30分で山にも行ける。そして川も身近なところにあります。当然、市内中心部にもアクセスしやすい。そして辻が言う通り、子供にとってもいい環境だと思いますね。ただ気づいたら広島弁になっています(笑)
―県外の方もこの記事を読むと思いますが、広島の食べ物に関してはどうですか?
朝山選手:広島には、お好み焼き、牡蠣など、いろいろな名産品がありますし、広島にある飲食店、すべてがオススメです!僕に言わせるとそれは人情込みです。カープの影響もあり、街全体に「スポーツを見る文化」が根付いていますし、みんな熱くて温かい。いろんな地域での生活を経験しているだけに、そこは強く思いますね。
―朝山さんはメディア出演が多いだけに、声をかけられる機会も多いと思います
朝山選手:それはあるかもしれませんね。僕らは背が大きいので目立ちますし。ただ、東京や大阪のような大都市圏だと、そういったファンの方とのふれ合いは難しいのかなと思いますね。そういう部分も広島ならではの魅力だと感じています。
―コロナが収まったら行ってみたい場所はありますか?
辻選手:一度、繁華街に行ってみたいですね(笑)
朝山選手:うん、落ち着いたら行こう!(笑)今はチームメイトとご飯に行くのが難しいですし、家族同士の付き合いもできていないので、「どこに行きたい」というより、みんな会って話をして、色んなことをしたいですね。そういう付き合いができる日々が、1日でも早く戻ってくることを願っています。
―以前は選手の家族同士でどんな場所へ行かれていたのですか?
朝山選手:広島市の湯来町にきれいな川があるのですが、みんなで行ってバーベキューや水遊びをしていました。あとは江田島とか、自然にふれ合うような場所が多かったですね。
辻選手:めちゃくちゃ行きたいです。今はそれができないので、コミュニケーションの部分で時間がかかっている部分があります。今までならすぐに集まってご飯に出かけて、オフコートで話ができたりしていました。そういうときは人の素が出て、性格も見える。それをきっかけにバスケットの話も深まるようになっていましたから。