COLUMN / INTERVIEW コラム・取材記事
史上最年少で日本代表に!広島から世界に羽ばたくアーティスティックスイマー
特別推薦でA代表・B代表の合宿に参加
―これまで競技を続けてきた中で、いちばん記憶に残っている大会は?
比嘉:2021年8月、横浜で開催された全国JOCジュニアオリンピックカップが印象に残っています。ソロとデュエットで狙い通り優勝ができましたし、チームでは入賞を目標にしていたのですが、結果は準優勝と、想像していた以上に良い結果を残すことができました。
―試合では緊張するタイプですか?
比嘉:2日前くらいから緊張しています(苦笑)。でも、緊張しないと逆に体が動かなくなってしまうタイプなので、適度な緊張感は必要だと思っています。
―結果を残し続けているだけに、プレッシャーも大きくなっているのではないですか?
比嘉:そうですね。以前に比べて「失敗できないぞ」という緊張感があります。
―日本代表の選考会が10月(一次選考会)と11月(最終選考会)に開催されましたが、比嘉選手にとってどんな選考会でしたか?
比嘉:最初はジュニア代表としてエントリーしていたんです。結果、ジュニア部門を1位で通過できました。そして、A代表・B代表を合わせた全体でも8位につけていたので、水泳連盟の方から急遽、特別推薦をもらい、A代表・B代表の合宿に参加することになりました。
―一次選考会と最終選考会の間には、1週間、代表候補合宿がありました。五輪を経験した選手も参加されていたのでは?
比嘉:はい。ロンドン五輪やリオ五輪に出場された乾友紀子選手や、東京五輪に出場された安永真白選手も参加されていました。
―合宿中、特に勉強になったことや、印象に残っているシーンはありますか?
比嘉:いちばん感じたのは“パワーが違うな”という印象です。身長は自分と同じくらいなのですが、体の使い方が上手くて、演技中は、実際よりも大きく見えるんです。そういう体の見せ方の部分が、自分との差だなと思いました。なかでも、京極おきな選手は、身長があまり高くないのですが、周りの選手に負けないくらい、ジャンプで高さを出すことができるのですごいなと思いました。
世界の舞台で証明したい「年齢が下でもここまでできる」
―代表合宿の中で成長したと感じる部分はありますか?
比嘉:エレメンツ※にとても自信がつきました。最終選考会は、普段のプールと違ううえに、選考人数も多かったので、普段と勝手が違い、規定要素をきちんと満たせるかが心配だったのですが、結果は5位と、良い内容でクリアできたのも自信になりました。
※エレメンツ・・・決められた8つの規定要素。完遂度により減点があるため、ミスのない演技が求められる。
―これからは国の代表として競技をすることになりますが、今のお気持ちは?
比嘉:今は楽しみもあり、緊張もありという気持ちです。代表チームでは自分がいちばん年下なので、他の選手の足を引っ張らないようにしないといけないと思っています。
―最年少ということで、不安に思う部分もあるのでは?
比嘉:不安もありますが、「年齢がいちばん下でもこれだけできるんだ」ということを見せられるような演技をしていきたいです。
―今後の活動スケジュールは?
比嘉:11月末から3月末までは日本代表の合宿に参加します。三重県や宮城県で合宿が続いていきます。
―最後に今後の意気込みを教えてください。
比嘉:世界で戦える選手になることです。日本の中でも目立つ選手になりたいし、年齢に関係なく「これだけできるんだ」ということを世界に見せつけたいと思います。
―日本代表としての初戦はいつになりますか?
比嘉:2022年5月の予定です。
―ご健闘をお祈りしています。本日はありがとうございました。
比嘉:ありがとうございました。
比嘉 もえ
Moe Higa
2007年9月15日生、広島県出身。アーティスティックスイミング広島所属。小学3年からASをはじめ、小学4年で全国JOCジュニアオリンピックカップに初出場。小学5年・6年では、2年連続でソロ競技で優勝しジュニアの頂点に。2連覇は30数年ぶりの快挙だった。世代を代表する選手として全日本ユースにも選出。2021年には史上最年少で日本代表入りを果たした。2024年のパリ五輪での代表入りに期待がかかる。父親は、元プロ野球選手(広島東洋カープ)の比嘉寿光さん。
本取材にご協力いただきました比嘉もえ選手の関係者の皆様、本当にありがとうございました。