取材記事

チーム名もユニフォームも刷新! ここから新たな歴史を築く

マツダスカイアクティブズ広島 佐藤羅雲

2022年1月、ラグビーの新リーグ「JAPAN RUGBY LEAGUE ONE」が始動する。

これを好機と捉えたのが、広島に本拠地を置くマツダラグビー部「マツダブルーズーマーズ」。今季からチーム名を「マツダスカイアクティブズ広島」へと変え、ユニフォームデザインも一新。新リーグでの戦いに向け準備を進める主将・佐藤(さとう)()()選手に、チームの雰囲気と目標を聞いた。

※「JAPAN RUGBY LEAGUE ONE」・・・通称「リーグワン」。トップリーグに当たる“DIVISION1”のほか、“DIVISION2”、“DIVISION3”の3つのDIVISION(部門)で構成される3部制リーグ。世界最高峰リーグへの挑戦を掲げ、国内全24チームの加盟が決まっている。「マツダスカイアクティブズ広島」は“DIVISION2”に所属。各DIVISION内で毎年入れ替えが行われる(入れ替え方式の詳細については、2021年12月時点では未定)

屈強な体がぶつかり合う迫力満点のプレーが魅力

ー新リーグの開幕まで1ヶ月となりました(取材日:12月17日)。今のチームの雰囲気はいかがですか?
佐藤:外国人選手も無事に合流して、全員揃って本格的に動き出すことができました。開幕戦に向けて、勝利への意欲が高まってきていると感じます。これからさらに練習を積み重ねていき、良い雰囲気で開幕戦に臨みたいと思っています。

ーリーグの編成が変わったことで、これまで機会のなかったトップリーグ所属チームと対戦する可能性も出てきました。
佐藤:格上の相手に対して、自分たちのチャレンジがどのぐらい通用するか楽しみです。その相手に勝てたときの喜びを想像すると、とてもワクワクします。今は、対戦チームの試合の映像を見て研究し、どうやって戦っていくかなど戦術を話し合っています。

新ロゴマーク

ーチーム名が「マツダブルーズーマーズ」から「マツダスカイアクティブズ広島」へと変わり、ユニフォームも一新しました。
佐藤:チーム名が変わったことで、注目をしていただく機会が増えたと感じています。社内でも「チーム名が変わったんだね」と、声をかけられることが多くなりました。興味を持ってくださる方が増えたことはうれしいですし、新しいユニフォームに最初に袖を通せることも光栄だと思っています。

ー新しいチーム名やユニフォームをより広めていくために、取り組んでいきたいことはありますか?
佐藤:広島県にはカープやサンフレッチェを筆頭にたくさんのスポーツチームがあり、スポーツが盛んです。個人的には、そういった他のスポーツの選手たちとも関われるといいなと思っています。他にも、学校や施設などいろいろなところに出向いて交流することで、ラグビーに触れていただける機会を作りたいですね。

ー2019年ラグビーワールドカップの効果もあり、日本ではラグビー人気が高まっています。反響を感じることはありますか?
佐藤:日本代表だけではなく、社会人や大学生のラグビーなども注目が高まっていると感じます。ラグビーをやってみたいと興味を持たれている方も増えましたね。ラグビーは、ほかのスポーツにはない迫力があります。体をぶつけたときなどすごい音がするので、初めて観られた方はびっくりされるかもしれませんが(笑)、ぜひいろいろな方にラグビーの魅力を知っていただきたいです。

ーたしかに大きな体同士が当たるわけですから、迫力はすごいですよね。その体格を作るために、子どもの頃から取り組んできたことはありますか?
佐藤:身長は元々高くて、小学校を卒業する頃には170cmありました。でも体重がなかなか増えなくて、大学に入って食生活を変えて、体を大きくしたんです。たくさん食べることを意識して、大学時代に15 kgほど増やしました。ちなみに今も、食べることをトレーニングの一環と捉えていて、1日5~6食を食べています。朝昼晩はご飯を2合ずつ。あとの間食のことは補食というのですが、おにぎりを1~2個食べています。

ーすごい!やはり食事で逞しい体を作るのですね。身長を伸ばすために取り組んだことはありますか?
佐藤:それについては特にないんです。牛乳は苦手なので飲まなかったですし。ひとつ言えるのが、とにかくよく寝ていました(笑)。寝る子は育つということですかね。よく食べて、よく動いて、よく寝ることが大事なのかなと思います。

強く激しく戦い、DIVISION1を目指す

ー佐藤選手の強みについて教えてください。
佐藤:強みというか……「これから強みにしたい」ことでもいいですか?ジャッカル※といって、相手からボールを奪うプレー技術を磨きたいと思っています。全体練習とは別に時間を作って、ジャッカルだけにフォーカスした個人練習に取り組み続けています。その成果を試合の中で発揮し、自分の強みだと言い切れるようになりたいですね。

※ジャッカル・・・タックルされた相手選手に「立ったまま」でボールを奪いに行くプレー。ジャッカルは動物の名前で、主に南アジア~中東、アフリカに生息する「犬」のような動物。ジャッカルが後ろの2本足を立てて捕食することを模して、立ったままボールに絡むプレーを「ジャッカル」と呼ぶ。日本代表の姫野和樹選手が得意とするプレーで、W杯で日本代表を勝利に導いたプレー。

ー新シーズンの目標はもう決めておられますか?
佐藤:やっぱり一番は、怪我をしないで最後まで戦い抜くことです。そして試合で激しくプレーをして、しっかり声を出して、チームメイトを鼓舞できるような存在になりたいです。

ーチームとしての目標も教えてください。
佐藤:マツダスカイアクティブズ広島は、3部制のリーグのうち、2部リーグにあたる“DIVISION2”からのスタートとなります。“DIVISION2”に所属する6チームのうち3チームが、成績や順位によって下部の“DIVISION3”と入れ替わるので、ひとまずはDIVISION2に残留することが大事だと考えています。どのチームも強いのですが、自分たちが100%の力を発揮できれば勝機はあると思っているので、全ての試合に勝つつもりで臨みます。

ー“DIVISION1”に昇格するために、特に重要な試合はありますか?
佐藤:同じ“DIVISION2”に所属する、「三重ホンダヒート」との対戦です(2月20日(日)14時30分~、Balcom BMW メインスタジアムにて開催)。「三重ホンダヒート」は新リーグでは“DIVISION2”からのスタートですが、トップリーグでも常連のチームなので、まずは「三重ホンダヒート」をターゲットにして、勝てるチームを作っていきたいと思います。