コラム

最後まで諦めず粘り強く戦う~広島ドラゴンフライズの大きな躍進~

広島ドラゴンフライズ GM 岡崎修司

バスケットで子どもたちに夢と希望を

広島の中での認知度をもっと上げていきたいのはもちろんのこと。しかし、そのためのアプローチに関して、何か一つに特化することはあまり考えていないのが正直なところです。

当然、チームの成績が良ければ自ずと注目されるでしょう。今季は編成においてもベストを尽くしたので、B1の中で上位に入る目標が大前提にあります。

クラブとして、エンターテイメント性も大切にしています。見に来ていただいた方に期待以上の体験していただくため、さまざまな準備を進めています。

「原点回帰」

当たり前のことですが、勝利と興行、この2つが改めて重要だと思っています。

また、クラブとしてナンバーワン戦略を掲げています。つまり、試合で勝つことは前提とし、それ以外の何かで1位になることです。

例えば、来場者数が B リーグでナンバーワンとなれば、そこから新たに広島ドラゴンフライズを知ってもらうきっかけになります。全体の来場者数はB.LEAGUEの中でも多い方である当チームですが、そこで一番を目指す点においても、頑張っていきたいと思います。

選手による学校訪問やバスケットボール教室など、子どもにフォーカスした社会貢献活動にも力を入れています。

コロナ禍の前は、クラブとして年に100回開催。過去、私自身も1年間で約50回は子どもたちと触れ合っていました。

私が小さい頃に、そのような体験があれば良かったと、昔を振り返って強くそう思います。バスケットボールを通して、子どもたちがそれぞれの未来を切り拓いていく原動力を与えたい。そしてバスケットボールを好きになってもらい、知ってもらうきっかけになればいい。

2018-19シーズンから、ドリームカードという無料観戦チケットを広島県の小中高生に向けて無料で配布しています。ナンバーワン戦略の1つとして、子どもの来場者数がB.LEAGUEで1位に輝けば、とても嬉しいです。

あらゆる経験を武器にした真のリーダーシップ

良くも悪くも広島から出たことのない私は、広島の歴史や文化など、広島については熟知しているつもりです。そして何より、クラブの立ち上げの時期から今に至るまで広島ドラゴンフライズを見続けてきました。この経験は、チーム運営に関して非常に大きいメリットであると思っています。クラブ内部のことはもちろん、応援してくださる方々やサポートしてくださるスポンサーの力があってこその広島ドラゴンフライズであることを、誰よりも強く感じていると思います。

私はまだまだ若く、不慣れな部分も多々あると思いますが、若いからこそチャンレジできる「何か」がきっとあると思います。

今季、広島ドラゴンフライズは B1における2年目のシーズンに入ります。新たな広島ドラゴンフライズとして戦い、昨シーズン以上の成績を持って、広島に貢献したい。

コロナ禍の今、非常に苦しい思いをされている方も多くいらっしゃるでしょう。社会的にも暗くなってしまう時期ではありますが、我々はスポーツの力、そしてバスケットの力を信じています。明るい活気を取り戻し、どんよりとした雰囲気を吹き飛ばせるような活躍をしていきたいと思っていますので、是非会場に来て、もちろん会場に来れずとも、応援していただけると嬉しいです。

2022年8月には、廿日市市にクラブハウス「ドラフラベース」を完成させる予定です。今後の広島ドラゴンフライズのエネルギッシュな活動と動向に、ぜひ注目していただきたいと思います。


岡崎修司

Shuji Okazaki

1990年、広島県生まれ。2014年に広島大学から広島ドラゴンフライズへ入団。プロバスケットボールプレイヤーと大学生という文武両道選手として話題に。大学で学びながら薬剤師の資格も取得する。2018年の現役引退後は、同クラブのアンバサダーやU15アシスタントコーチとして活躍。またMBA取得のため、県立広島大学大学院経営管理研究科へ進み、ビジネス理論やスポーツビジネスを学ぶ。2021年ゼネラルマネージャーに就任。並行して、広島都市学園大学特任講師も務める。