COLUMN / INTERVIEW コラム・取材記事
【特別編】大学生によるスポーツ×美容×広島トップスポーツ女性アスリート交流会!Produced by SAH
目標を達成するためにアスリートとして思うこと
―私たちが考えている女性のスポーツやダイエットなどの目標達成のアプリの内容や機能についてのご意見やアイディアをお聞かせください。
三橋選手:目標を達成するためには、習慣化して、毎日コツコツ行うことが大事だと思います。最近、英語のオンライン学習を受講しているのですが、そこでは近況報告や自分が何を学びたいか、逐一報告するので、やらなければいけないという気持ちになります。
アプリだと、仲間が取り組んでいるところが確認できたり、取り組みを決めた時間に毎日通知が来たりする機能があれば継続につながると思います。
吉川さん:トレーニングなど、取り組み始めた頃は「頑張ってやろう!」と思っていますが、三日坊主ではないですけど、なかなか時間がなくてできなくなったり、忘れてしまう時期があるので、また取り組もうという気にならないことが多いです。1度離れても、また続けやすい、再開しやすいアプリであったらいいと思います。
あとは、アプリ内にチャット機能があると、一緒に取り組んでいる方との交流を楽しむことができると思います。ただ、一日のルーティンが決まっている場合は時間の使い方が難しいですね(笑)。
三橋選手:「チームの目標」と「個人の目標」を設定していますが、ホッケーというスポーツの世界で目指しているところは「勝利」という一つであり、そこに向かって「何ができるか」ということになります。
ここ数年、結果が残せなくてずっと苦しい時間を過ごしてきました。三年前、現監督のニール アンドリュー ホーグットが就任して、凄く色んな考え方を学ばせて頂いたんです。
例えば、試合で負けてしまった時、日本人ってできなかったことや失敗してしまったことを気にしてしまいがちなんですよね。そうではなくて、結果が悪くてもチームとしてやろうとしていることができていたり、自分が納得のプレーができていることもあると思うんです。「小さい達成」にもフォーカスしていくことが大切かなと感じています。
ホッケーはチームスポーツなので、チームメイトや周りで支えてくださる方々の大切さは凄く感じています。自分のためだけでなく、支えてくださっている人のためにも頑張らないといけないと思っていますし、感謝の気持ちを忘れずに取り組んでいけば、良い結果に繋がると信じています。
吉川さん:現役時代、結果に厳しい監督の下でプレーしていたので、私自身は結果がすべてだったというか、試合の勝敗を重要視していましたね。試合に勝つことが最終目標だったので、負けたときは悔しさが大きかったですし、負ける事がダメなことだと思い込んでいた時期もありました。プレッシャーや不安で泣いてしまったこともありますし、本来の目標とは違う方向にベクトルが向いている状態でホッケーをしている時期もありました。ただ、この経験があったからこそ、少しずつ自分と向き合うことができましたし、純粋な気持ちだけでスポーツをやっていけば結果がついてくるということも気づきました。
この心持ちなら、結果が出なかったことはもちろん悔しいですけど、上手く次への切り替えができるし、仲間と悔しさや次の目標を共有することができて、良い関係性を築くことができたと思います。
また、今チームの中で意識しているのが、ネガティブな発言をしないこと。誰かの期待に応えたいということは、選手にとって大事なモチベーションになると思いますが、「勝利を届けることができなくて残念です」というように、最後がネガティブワードで終わる発言は。なるべくチーム内で言わないようにしようと取り組んでいます。
-挫折したときに立ち直ることができた要因など教えて下さい。
三橋選手:2017 年に膝の手術をしたのですが、思うように回復せず、復帰ができない時期が長く続いたんです。その時がホッケー人生の中で一番辞めたいと思った時期でしたね。どのように立ち直ったかというと、やはり周りの方の支えがあったからです。それがなかったら簡単に辞めていたと思います。
リハビリをしている時でも、良くなる方法が何かないかと監督がオーストラリアのドクターに相談してくれたり、トレーナーやチームメイト、そして離れている家族も電話で「早く復帰してね」と声を掛けてくれました。そのような様々なサポートのお陰で現役続行ができましたし、復帰して元気にコートを走り回っている姿を見せることが恩返しになると思ったので、乗り越えることができました。
吉川さん:北京五輪の時に日本代表に選出されたんですが、セカンドのゴールキーパーとしての選出だったので、実は、出場時間が 0だったんです。地元や会社から期待されていた中で、沢山の方から注目を浴びることは正直しんどかったですし、日本チームとしても結果が残せなかった分、気持ちが沈んでいました。その後は、次のロンドン五輪で「北京の忘れ物を取りに行きたい」という気持ちで練習に取り組んでいました。
しかし、枠が少ないゴールキーパーだったので、ロンドン五輪出場は叶わなくて、「これ以上ホッケーをやっていくのは、体も心も限界だな」と思い、会社やチームから離れて富山県の実家に帰って何ヶ月も何もしない時期がありました。そこからちょっとずつ時間のおかげで解決したと思います。
その後、一度ロンドンに留学してみようと思い、大きな目的はなかったですが、6ヵ月間ロンドンに留学したんです。そんな自分探しの旅と言いつつ、日本語の YouTube を見たり、ボーとする時間が只々多かったです(笑)。日本から離れて過ごした時間が、落ち込んでいた気持ちを切り替えさせてくれて、落ち着くことができましたし、 SNSで発信したことに対するたくさんの方からのコメントなどで元気をもらうことができました。今は、その時、元気をくれた方も含めて、より多くの方を支えていく事が自分の生きがいだなと思っています。